少年観覧車 塔野夏子 めぐっているのは 時ではない 願うこと求めること欲すること は 知っていても 祈ることはいまだ知らないのだから 憧れるほどに まなざしは遠ざかる 破滅的な情緒で 恋をする 知らない翼に いざなわれて 絶望よりも残酷な夢のなかへ めぐっているのは 時ではない 永遠をいちばんよく知っている のに それを知っていることには 気づかずにいるのだから