riverside troubadour      塔野夏子


小粋なトリックスターたちは
欄干に腰かけて
夏はじめの夕風を喰んでいる
街にはぐれたバレリーナのシルエットは
永遠に何かに試されたまま
甘い夕映えに揺れている
川沿いの店々にあかりが灯ると
あたりのざわめきがまるで
うたうようないろどりを
帯びはじめる
さあはやく 君のいかれたいかした言葉たちの群れで
僕の意識を心地よく
攪拌してくれ
マーマレイドの月の下
したり顔した「明日」って奴を
思うさま笑いのめせるように