モノトーンの虹 塔野夏子 街の空に モノトーンの虹 夜が来れば 乾いた月がのぼる この窓も枯れてしまった 無造作にガラスのコップに挿した 一輪のピンクのガーベラだけは 鮮やかに浮かんでいるけれども 街はずれの丘のうえでは 観覧車が メリーゴーラウンドが 今もまわっているだろうか? 風に吹かれて? それはともかくとして ここに来て欲しい 不安をすべて取り去ることはできないけれど せめて一緒にいよう お気に入りのソファはまだ健在だ もう泣かないで 悲しい夢を見ただけだから