1068番目の奇跡 塔野夏子 セルリアンブルーの本から 零れ落ちる音符のような 啓示 に搏たれつづける心が 1068番目の奇跡を通じて うつくしく褶曲する地層のような 洞察 へと繋がるのならばと 今夜は違う窓に向かっている とても魅惑的なかたちをして そこに在るのに 誰もその奏で方をわからない楽器のような 欲動 に揺れながらも みるみる希薄化してゆく肉体を それでもどうにか 意識に纏い付けて